NINAGAWA 十二夜@大阪松竹座
ダンナちゃまの元上司の方々もご一緒です。
私は菊之助のファンなので、彼の演技を観るのも楽しみでしたし、この舞台では早変わりが見どころとのことでしたので、それにも興味津々でした。
シェイクスピアをどのように歌舞伎に仕立て上げているのか、そこも面白いところです。
原作の「十二夜」は、シェイクスピアをラム姉弟が物語りにしたものを読んで、初めてどういうお話か知った次第です。
そして、今回それを歌舞伎で鑑賞したわけですが、違和感はなく、楽しめる作品に仕上がっていました。
舞台美術も素晴らしく、マジックミラーをふんだんに、そして効果的に使っていて驚きました。
虚と実、夢と現実、海と陸、兄と妹、殿と姫、男と女、身分の上下、アホとかしこ、そして役者と観客などなど相対するものを表現しているかのようでした。
蜷川幸夫さんのお芝居に詳しい元上司の方によると、いつも鏡を使った舞台美術だそうです。
またお花のセットも豪華で、前半は桜、後半は白い百合を舞台いっぱいに使っていました。
パッと咲いてパッと散り木の上で咲く桜、大地から上に伸びて純潔を意味する白百合、とお花も対照感を出していました。
絢爛豪華なセットでお芝居の中身も楽しく充実、役者さんはそれぞれが個性的に演じていて娯楽性の高いものになっていました。
菊之助は早変わりが見事!
男の格好で出て、18秒ぐらいで女に変わって登場していました。
相変わらず、女形をやっても立役をやっても美しく、声の良いことに感心しました。
菊五郎も早変わりが随分とありましたが、品も色気も茶目っ気も出しながら、「江戸っ子だねぇ」と思わせる余裕でした。
三枚目をやった中村翫雀は身を捨てたかのような笑わせてもらえる演技で、ご自身の工夫もいろいろとおありだったようです。
衣装や小道具も凝っていて、観ているだけでも楽しい雰囲気を全面に出していました。
話題の亀二郎は、「この人、武田信玄やってたよね」と信じられない気持ちになるぐらい小悪魔な腰元の役をやっていて、芸の幅の広さを見せてもらいました。
カワイイ顔をした女の子が企んでいたり意地悪するときの顔つきが「そうそう、イヤな女の子がこんな顔、するする!」と思わず頷いてしまうような名演でした。
さて、雨降りにもかかわらず、ダンナちゃまと私は夏着物にチャレンジしました。
私の着物は今年、帝人から新発売になったセオ・アルファという新繊維で出来ている洗える着物です。
洗える着物も材質が向上↑↑↑していますね。
とても洗える着物とは思えませんし、着ていても吸汗速乾らしく、暑苦しくありませんでした。
長襦袢は身頃が綿、他が新素材のものですが、これまた吸汗速乾のお陰で、思ったより快適でした。
さらに気分良く過ごせたのは、麻足袋です。
普段も靴下はやめて麻足袋にしようかと思うほど、快適でした。
ということは、麻の着物や長襦袢はもっと快適だということでしょうね。
帯と帯まわりの小物は正絹にしました。
さすがに帯までポリだと新素材でも暑さがつらくなってくるそうです。
しかし、夏帯のあまりの柔らかさに締めるとき悪戦苦闘しました。
薄くて柔らかいので、締めているうちにくちゃくちゃに…(T_T)
ダンナちゃまは後ろ手で帯をサササーッと貝の口に結んで涼しげなのに!
ダンナちゃまは小地谷ちぢみの着物に下着類はすべて麻、銀座で誂えたときに大女将さんから天然素材で上質なものを勧められたそうです。
本物の麻は汗をかくと袖も裾もシワになって上がってきますので、本物のポリエステルとすぐ見分けが付きます(笑)。